大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和54(オ)1375 判決

主 文

本件上告及び附帯上告を棄却する。

上告費用は上告人の、附帯上告費用は被上告人のそれぞれ負担とする。

理 由

上告代理人竹澤喜代治の上告理由第一点について

所論の別件訴訟は、本件訴訟とは訴訟物及び当事者を異にしているから、所論の

既判力抵触の問題を生ずる余地はない。論旨は、採用することができない。

同第二点及び第三点について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし

て是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審

の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立つ

て原判決を論難するものであつて、いずれも採用することができない。

附帯上告人の上告理由について

約束手形の支払呈示期間内に適法な呈示がなかつたときは、その後に呈示がされ

ても、振出人は手形法七八条一項、二八条二項、四八条一項二号及び四九条二号所

定の利息の支払義務を負わないと解するのが相当である。附帯上告人の利息の請求

を棄却した原判決は、これと同趣旨に出たものであつて、正当として是認すること

ができる。また、附帯上告人は、本訴において本件手形債務につきその不履行によ

る遅延損害金の請求をしていないから、原審がこれを認めなかつたことに違法はな

い。論旨は、いずれも採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 中 村 治 朗

- 1 -

裁判官 団 藤 重 光

裁判官 藤 崎 萬 里

裁判官 本 山 亨

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!